旅行日 2019.10.21(月)
はやる気持ちを抑えて
まずは、エネルギーチャージ。
リンゴとエナジーバーを食べてチャージ完了。
トイレに行きます。トイレは1か所だけです。
2~3分歩きます。
ここは、さらにコバエが多い。
さあ、準備万端。
いよいよ始まります。
最初は、岩肌を登りますが、急な場面もあり
慎重に。
やがて、鎖のある急な場所に。
ウルルは高さ348m(海抜は863m)の大きな一枚岩ですが
鎖のあるところを登りきると
その高さの約3分の2を登ったことになると言われています。
それだけ、急峻な勾配ということになります。
最大傾斜46度ともいわれています。
左側通行で、右側は降りてくる人用な感じです。
ゲートがオープンしたてなので、
ちょっと混んでいます。
5mおきぐらいにポールが立っていて、
安全柵のようにポール間をくまなく鎖が貼りめぐらされています。
降りてくる人はほとんんどいないので、
自分のペースが遅いと思えば
ポールに足を踏ん張って、右側に移動し
後続に先に行ってもらいます。
追い越した事も数回ありましたが
追い抜かされ専門です。
途中、疲れてポールで休むことも数回ありました。
鎖から手を離すことはありません。
ところが、命知らずの若者たちが
鎖なんて無視して、1m離れた左側をぐいぐい
登っていくのです。オーマイガー!
足を滑らせたら、そのまま、一気に落ちてしまう状況の所です。
転落事故も知っているはずだろうに
何をそんなに急ぐのか。
でも、早かった。
まぁ、まぁ、人は人。
マイペースで地道に登ります。
ようやく鎖が終わり、安全に休憩できる場所に到着しました。
もう一つの見どころのカタジュダ(マウントオルガ)も見えます。
あとから思うとここまでで全行程の3分の1ぐらいです。
風景を楽しみながら十分休憩したので
さらに上を目指します。
ちょっと足場の悪い岩をよじ登ると
そこからは、1本道。
多少のアップダウンはありますが
白いペンキでルートがガイドされています。
ここからは、写真を撮る余裕も全くないまま進みます。
それほど危険な場所はなかったのですが
1か所、道幅が1.5mぐらいのところがあり、左右は崖です。
くらっと来たら落ちて死ぬという場所で
気が抜けません。
細かなアップダウンを繰り返しながら
道を譲って先に行ってもらったり
どう登ったらいいか不安な時は
先に行った人たちを観察して
登り方を工夫したりでなかなか頭を使います。
でも、道に迷う心配はありません。
そのうちペースの同じくらいのご夫婦と、時に前後しながら進みました。
と、一番の難所です。
若い人なら難なく登れるのでしょうが
自分の背丈の2倍はあろう壁を登らなければいけません。
躊躇して、そのご夫婦としばらく先行く人を観察していました。
6~7組くらいはやり過ごしました。
すでに頂上まで行った人が降りてきて、
女の人がどう降りたらいいのよと
泣き叫びながらずべり落ちてくるのも見ました。
かなりおじけづきましたが、助走をつけて登るしかないので
他に小細工や迂回路があるわけでもないので
いざ、決行です。
後続の人もいなくなりました。
すると、ご夫婦も先人を切って、チャレンジ。
どうやら成功です。
私も勇気をもらい、助走をつけてエイッ!
うぅっ!あと一歩届きません。
岩壁でへばりついて止まっていると
さすがに心配だったようで奥さんが手を差し伸べてくれました。
でもね、50肩になってる右手なんです。
左手は出そうにも出せない体制。
痛くて動けないでいたら、今度はご主人が手を貸してくれて
結局左手も上げて万歳状態の体勢で
持ち上げられたという感じです。
重かっただろうに、ほんとごめんなさい。
でも、登れた時には安堵と痛さで
しばらく座りこんだまま動けませんでした。
五十肩なんてどうやって説明したらいいのかわからなかったのですが
aged shoulderと言ったらわかってもらえました。
お礼を言って、もう感謝感激雨あられです。
その後も、ペースが同じというか
私が1人なので心配してくれたと思うのですが
つかず離れず登っていました。
次の難所は足幅20~30cmぐらいが続く長い崖の道を
横に上がっていく場面でした。
5~6mぐらい横に移動します。
狭いので足を踏み外したら落ちてしまいます。
これまた3組ぐらい先に行ってもらい観察して
どう行ったらいいかイメージできたところに
子連れの家族が、私に小さい子供がいるから
手伝ってほしいとリクエストされました。
欧米人から見れば日本人は若く見えるのでしょうね。
でもムーミンママ、言いたくないけど
当時60才です。
無理、無理。ごめんなさい、できない。と断ると
先ほどの絶壁を救い上げてくれたご夫婦の奥さんが
50肩なんだよと代わりに説明してくれました。
frozen shoulderと説明してました。
へぇ、五十肩って、英語でそういうんだと感心していたら
じゃぁ間に入りなと助けてくれたのです。
幼稚園生と小学生低学年ぐらいに見えるの娘さんは、
何の苦も無く、するすると細い道を制覇。
私も勇気をもらい制覇。
もちろん、私の後続の皆さん制覇で、事なきを得ました。
ここからは、もう危険な難所はありませんでした。
到着。登頂成功です。感激。よく頑張った自分!
頂上プレートがあり写真を撮ってもらいました。
さすがにウルルの名称ではなく
1873年にイギリス人探検家に発見され、当時の植民地首相ヘンリー・エアーズにちなんで名付けられたエアーズロックになっています。
しかも、私と同じ生まれ年の1958年に設立されたプレートでした。
ウルルはアボリジニ先住民アナング族の呼び方で、
彼らにとって、神聖な場所で、登頂をしないでほしい旨が
ようやく叶い、2019年10月25日の夜をもって
登山が永久的に禁止されたのです。
遠くカタジュタも見えます。
荒涼とした大地に立つ一枚岩のエアーズロックの様子が伝わるでしょうか。
ビデオもアップしたいのですが
多くの人が映っているので
プライバシーを考えるとアップできません。
強風の音がお届けできないのも残念です。
しばらく風に吹かれて登頂成功をかみしめながら
バナナでエネルギー補給。
休憩しているといっぱい人が登ってきます。
予想以上に日本人は多くて、日本語が聞こえてきます。
そのうち、自分が登っておきながら、
アボリジニの神聖な場所に踏み入ってしまった罪悪感が
こみ上げてきました。
こんなに多くの人が、ずかずか足を踏み入れてしまい
なんだか、申し訳ない気持ちになりました。
わかっていたものの、今さら、自分だって
ずかずか上ったのに、言う資格なんかないんですがね。
帰りは疲れが出るだろうから十分休憩をとり、
先ほど助けてくれたご夫婦にお礼を言って下山です。
例の1か所目の横移動の難所は、そうでもなかったのですが
もう1か所の難所の絶壁は、どうやって降りようかと
さんざん迷いました。
来るときに泣き叫んでいたご婦人の気持ちもよくわかります。
おしりを滑らすようにズリッ、ズリッ。
最後は、エエイ!と飛び降りる感じです。
ほう!ご無事で。
しばらく行くと
来るときは感じなかったのですが
かなり遠回りな迂回がありましたが
白線ラインは遠回りなので仕方ありません。
若者たちが、ショートカットして、最後に崖をよじ登っていきました。
私はショートカットしてよじ登る自信もないので
迂回した正規ルートです。
終わりに差し掛かると
若いお姉さん2人がショートカットして
こちらに向かってくるのが見えます。
目が合っちゃいました。
最後の崖が登れず、手を貸してくれと頼まれました。
不用意に手を差し伸べたのですが、
予想外に重たく、危うくこちらがひきづられて
落ちるところでした。
Wait、Wait。と頼み
体制を整え、思い切り低くして
なんとか持ち上がりました。
今、考えると冷や汗ものです。
もう一人のお姉さんはあきらめて
正規ルートの迂回をして二人合流して、
さぁ~っと行っちゃいました。
早かった。若い人は身軽で元気ですね。
最後の道幅が1.5mぐらいの崖は、
ここで、強風が吹いたら、滑落してしまうから
強風の時はゲートが閉まるんだなぁと思いました。
鎖ゾーン前の踊り場休憩所で
飛行機で隣の席だった学生さんたちに会いました。
ゲートが開いたので追加料金払ってチャレンジできたと。
あとどれくらいですかと聞かれたので、
あと3分の2ぐらいと答えて別れました。
ツアーだと、天候コンディションで登れなかったり
登れても、集合時間に間に合わなくて、頂上まで行けずに
引き返すなんて話も聞いていたので
ホントにチャンスめぐってきて、よかったですね。
その後も、ちょくちょく会いました。
どうやら同じドミトリーでした。
英語漬けになってる脳に、ちょっとした日本語会話は
なんか栄養もらったみたいで感謝です。
さぁ、鎖ゾーンです。
最後に気を抜くと大けがになるから
慎重に降りました。
かなりの人も登ってきて鎖の両側が混んでいます。
無事に下山。ホッとしました。
ふつうは1時間半から2時間ぐらいかかるそうですが
私は頂上でゆっくりしたこともありましたが
3時間15分、かかりました。
ホップオンホップオフのバスの時間を調べ
ゆっくり休憩できそうなので
キッチンカーがあり、
ご褒美にアイス食べました。
1人でいると外国人がいっぱい話しかけてきます。
だいたいが、日本に行ったことのある人で
その話で持ちきりになります。
ふと見ると
早朝、そばにいれば安心だよと話しかけてくれた男性が下山してました。
途中でも何度かあったのですが
お子さんたち3人は登らなかったそうで
お互い無事に下山できて
よかったねとたたえあいました。
彼は、若いお姉さん2人と、先にしゃべっていたので
その場を離れ、
そういえば、写真を撮る余裕がなかったと
今更ながら撮影タイム。
すると女の人がこちらを見ています。
なんと、途中の3mの絶壁で引き上げて助けてくれた方です。
ご主人は、その場にいなかったのでわからなかったのですが
フェイスガードの網付き帽子をかぶっていたので
買ったのですかと?
便利そうだから買ったそうです。
あんなにお世話になったのに
欧米人の顔をなかなか識別できません。
背格好や着ているもので判断するので
帽子をかぶってご主人のいないシチュエーションに
わからなかったのです。
ご夫婦の助けがなかったら、頂上までのぼることができなかった。
と、感謝の言葉を言いましたが、
他に、英語で感謝の気持ちを十分に表現するのは、難しいですね。
それと、もし、あとで、道で会っても
識別できない私は、無視したように思われてしまうかも。
もし、そうだったら、ごめんなさい。
車で来ていたようで、最後にお礼を言って挨拶して別れました。
ホントにありがとうございました。
さぁ、そろそろバスの時間です。
満席ではありませんがそこそこ混んでいます。
朝、声をかけてくれた男性がまだ来ません。
そうこうするうちに出発するので
ドライバーの女性に
もしかしたら、向こうで男性が乗り損ねているかもと
掛け合いました。
あなたの家族?と言われたので
違いますが同じホテルですと。
それじゃぁ、ゆっくり走るから、いたら教えてと。
ゆっくり出発すると、いましたよ。
こっち、こっちと手を振り
さっきのお姉さん2人とやってきて
無事にバスに乗れました。
やれやれ。
足をくじくこともなく、問題なく無事に帰れたので
タウンスクエアのインフォメーションで
ホップオンホップオフのバスの
本日のウルルのサンセットと
翌朝のカタジュタのサンライズを予約。
我ながらタフ!
スーパーマーケット経由で買い物をしてから
宿に戻りドミトリーへ。
こういう時、2階のベットだと
大の字になって寝ころべません。
荷物を置いて、
食事にします。
1オーストラリアドル=80円ぐらいですが
オーガニックブランパン(500g3.5ドル)に
スモーキーベーコンチーズ(235g5.5ドル)、
プラムジャム(560g5.33ドル)、
洋ナシ(1.03ドル)、
レモンサイダー(1.25L2.3ドル)です
ちなみにペットボトルは詰め替え用に日本から持ってきたもの。
外国製はペコペコに薄いものが多いので役に立ちます
さて一休みしてからサンセットです。